
面白南極料理人 (新潮文庫)
想像できない厳しい環境の中で、
誰の助けも借りずに一年間過ごさなければならない。
緊迫した場面もあったが、
著者の文章はどこかのんびりしていて
笑いを誘います。
鉄人たちの面白紀行を読んでみてください。

雷桜 ブルーレイ [Blu-ray]
本作はおとぎ話(ファンタジー)です。それを成立させるには、ありえない『嘘』の部分以外のディテールをしっかりして、こんな物語りもあるかもしれないと思わせなきゃダメでしょう。まず大前提として、殿である斉道が、家臣もつけずに一人で山奥に入ることからクリアーしなきゃね。
それに脚本、演出以前にキャラクター造形が酷い。特に、時任三郎演じる育ての親のキャラ造形が酷い。暗殺のプロは「密命」ためには、実の娘だろうが切り棄てますよ。しかも相手は将軍の息子。生半可な暗殺ではないのに。彼が組織を裏切ってまで子供を生かし育てる動機が弱すぎる。
こうしたディティールが甘いから二人の置かれた厳しい設定が生かされず、あり得ない関係の恋愛劇が成立していない。
また、テーマが恋愛なのか親子関係なのか主従関係なのか、欲張りすぎてまとまりがない印象も受けます。
お屋敷で飼育されていた鷹の目から見た、山間の風景はスピードとその広がりの映像にはハッとさせられるものがあったけれど、雷桜の映像は美しいのは間違いないけれど、いかにもCGですと思わせるもので、花びらが散るシーンなんかやりすぎで、興ざめします。
殿様の子供時代のトラウマなんて、かつてのTV時代劇では決して描かれなかったことだし、原作小説はもっと掘り下げた二人の性格描写もあったかもしれませんが、そのあたりには迫り切れなかった感じ。二人の絆の象徴となるものも、どのポイントにしたいかハッキリしない。
ただ、蒼井優は、『天狗』と呼ばれるようなワイルドな役柄で頑張っていましたね。大声を張り上げるのもさることながら、馬の乗りこなしも上手かったです。
まぁ、蒼井優の熱演や、岡田将生のイケメンぶりは充分楽しめるので、ファンなら許せるでしょう。(笑)

美術手帖 2011年 02月号 [雑誌]
犬の写真が載っているかな?と購入。
犬はほとんどなく 猫と野生動物中心でした。
鑑賞して楽しむことより『どう撮るか』という点に重きをおいた内容です。
梅佳代さんという写真家が岩合光昭さんに動物園での効果的な撮影方法を習います。
(私はこの方を存じ上げず、てっきり表紙の猫の名前が“うめかよ”なんだと思っていました)
また、野生動物が土に還る写真もあります。
苦手な方はお気をつけ下さい。

阿波DANCE [DVD]
本作は「榮倉奈々が阿波踊りをする」ということに尽きる映画である(笑)。背が高い分、ヒップホップでNYCへ渡れそうな実力、というのは設定上ムリはないが、冒頭のコンテストシーンだけでそれを語るのは、少しきついのではないか。永山組の「バックダンサーズ」でも全編通してようやく「サマ」になった感じがするくらいなので・・・。あとキツめのメイクや性格などもかなりのチャレンジだったと思うが、そこは女優として進化したかな、と思う。勝地涼も芝居は上手いが、やはりダンスは課題が残ったのでは。踊りという「軸」がブレてしまうと、こういう作品はつらい。もっと阿波DANCEチームの成長過程に絞って脚本化すべきだったと思う。青春=スポコンという王道の作り方をなぜしなかったのか?それと長江監督は映画本編の経験が少なく、かつTVでも正統派ドラマはあまりないはずだ。最後の阿波踊りシーンなどはもっとワイドに撮らないと迫力が出ないのだから、慣れない監督に任す時点で人選ミスだろう。親子の絆のシーンも煮詰め不足だった。犬童組の「眉山」と比較すると雲泥の差だったぞ。徳島県もこれでよかったのか?(笑)。ホンは星2つだが、榮倉奈々のがんばりにひとつプラス。

雷桜 スタンダード・エディション [DVD]
乳児の頃に誘拐されて山奥で育てられた少女を蒼井優が熱演してます。
特に声の出し方が印象的で「蒼井優ってこんな声出るんだ」って驚きと、この映画のヒロイン雷になりきってるその演技に引き込まれました。
時代劇としては異色の作品だけど、今までお嬢様的な役柄が多かった蒼井優が新たなジャンルの配役にチャレンジして見事に演じきってます。
今回メモリアルエディションを購入しましたが、特典DVDもメイキングが充実していて満足度満点です。
季節的にもサイズ的にもあの見事な雷桜(桜の木)をどうやって映像にしたのかもバッチリ観れました。
見どころは脇を固めたベテラン俳優、柄本明が命を懸けて殿に心をぶつける壮絶なシーン。
CGも凄く効果的に自然な仕上がりで、俳優の演技を邪魔しない仕上がりになってます。
顔を真っ赤にして熱演する名優の迫真の演技は見逃せません。
劇中ピーターが男臭い侍を演じてますが、あの人こういう役が合ってます。
もっと男役でお芝居すればいいのに。
全体的には実ることのない切ないラブストーリーですが、ビックリさせられたラストシーンはもう少し先が観たい!
原作をまだ読んでませんが、観る人にその先のシーンを想像させる映画にしたかった監督の意向でしょう。
★4つで!